ムーヴオン!観た映画の感想・考察ネタバレあり解説

最近観た映画の感想・考察・解説を独自視点でやってます!おすすめ映画ランキングなどもたまに発表してます!忌憚ない意見が特徴!※完全ネタバレなので見てない人は注意

ヒューマンドラマ

やさしい本泥棒(The book thief)

2013米独

あらすじ:1930年代、少女リーゼルは幼い弟をなくし、一人でドイツのハンス( ジェフリー・ラッシュ)とローザの老夫婦の下へ里子に出された。夫のハンスはリーゼルに優しかったが、ローザは口が悪かったため、リーゼルは新生活当初は本当の母親の所に帰ることばかり考えていた。学校でも余所者として扱われて不安ばかりであったが、ハンスに字の読み方を教わったり、となりに住む同い年の少年ルディと仲良くなるにつれてだんだんと新生活に打ち解けていく。
やがてナチスの独裁色が強まり、ハンスの戦友の息子でユダヤ人である青年マックスを地下にかくまう事になった一家。マックスは外に出られない生活の中でリーゼルの一日の報告を生きがいにしていた。
ある日ナチスの政策により外国の本を町の真ん中でみんなで焼くあつまりがあったが、文字を読めるようになり読書に興味がわいてきたリーゼルは焼け残った本を1冊盗んでしまう。それを市長夫人は車から見つめていた。ある日ローザは市長宅の洗濯物とアイロンがけした物を届けるようリーゼルにおつかいを頼む。リーゼルが市長宅に着くと、戦争で自分の子供を亡くした市長夫人がリーゼルを可愛がってくれ、本が読みたいならうちにきた時は本を読んでよいといいリーゼルは喜ぶ。しかし暫くするとそれが市長にばれ、リーゼルは市長宅に入れなくなってしまう。一方マックスは寒い地下での生活がたたって病気になり、みんなで看病する日が続く。リーゼルは市長宅に忍び込み本を盗ってきてマックスのためにたくさんの本を朗読する。ある日リーゼルの学校にローザが急にやってきて、マックスの容態がよくなったといって二人で泣いて喜ぶ。しかしナチスの力はさらに強くなり、マックスは自分のためにこの家族を犠牲に出来ないと家を出る。
戦争が始まりハンスは老齢にも関わらず徴兵され、ルディも身体能力の高さからエリート兵としての進路が決まってしまい、リーゼルは大切な人達がいなくなってしまう事を嘆く。ハンスは軽い怪我をし戦地から帰ってくることが出来たが、ある夜の空爆で街一体が被害にあい、近所はリーゼルを残して全員死んでしまう。行き場を失ったリーゼルは市長宅で養われることになる。のちに生き延びたマックスとリーゼルは再会。最後はリーゼルの生涯を語り部が締めくくる。

感想 :人の優しさと人生の不思議さを描く映画ですが語り部はなんと死神。リーゼル役の子が素晴らしかった。もちろんジェフリー・ラッシュもすごくいい雰囲気でした。開始5分位から面白かったです。過酷な状況の中で少女リーゼルを通じ、ハンス、ローザ、ルディ、マックスのそれぞれの立場からの優しさが垣間見れました。登場人物みんないい人でしたが、戦時中という事もあって悪者がいなくてもマイ・インターンみたいに刺激不足にはなっていないです。音楽も大御所ジョン・ウイリアムス作曲でばっちり。
とても完成度の高い映画だと思いました。優しさに触れたい人におすすめです。 

ひつじ村の兄弟

2015氷

アイスランドの牧羊地帯が舞台です。
隣に住んでいるが40年間口も利かなかった仲の悪い羊飼いの老兄弟。
荒っぽい性格の兄ギティー、寡黙な弟グミー。
羊の品評会で兄に僅差で敗れたことを逆恨みし、兄の羊小屋に忍び込んだグミー。そこで兄の羊が伝染病に犯されている事を発見。伝染病駆除の為その地域一体の羊は殺処分されたが、グミーは家の地下で何頭か自分の羊を生かし、繁殖させようとしていた。その地域の純血統種の羊を絶えさせたくなかったからだ。ギティーはグミーが羊を隠してる事を知ったが責めず、「何頭いるんだ?」と弟に語りかけ協力したいようなそぶりを見せた。しかし保健所の職員にみつかってしまったため二人で小型トラクターに乗り、羊を誘導して他の土地に連れ出そうとする。途中でトラクターは進まなくなり、あたりはブリザード。羊も見失い弟は寒さで気を失ってしまう。兄は雪でかまくらを作り、その中で弟を抱き、温めようとする。そこで終わり。



弟グミーが一人で羊の世話をしたり、さびしく生活している描写がほとんどです。
あとアイスランド牧羊地にも電子レンジはあるんだ。と思いました。
牧歌的な雰囲気が好きな人はいいかもしれないです。ただ全体的には北欧の気候の如くどんよりした内容です。聖書の迷える子羊の解釈なのでしょう。 静的で詩的な映画ですので見る人を選びます。ラストの終わり方も僕は嫌いではないですが賛否両論ですね。これがアイスランド美学なのでしょう。

ぼくを探しに

2013仏

幼い頃に両親を失くし、グランドキャニオンで父親が自分に向かって叫んでいる夢で毎朝目覚める言葉を喋らないポール。音楽一家の二人の叔母と共に暮らす33歳の芽が出ないピアニストの彼は、朝シャワーを浴びてピアノを弾き、大好きなパンを沢山買って叔母のダンス教室でパンを食べながらピアノを演奏する毎日を送っていた。ある日盲目の調律士コエーリョを追いかけて自分のアパートの下の階に住むマダムプルーストの秘密の部屋を訪れる。その部屋はアパートにも関わらず豊かな菜園があり窓から光が差し込んでいた。マダムプルーストはポールのトラウマを治すために治療が必要だと思い特製のハーブティーを飲ませる。するとポールは気絶、自分の記憶をたどってが赤ちゃんの頃に戻りまだ生きている両親を眺めている。マダムの部屋に通い何回か記憶のフラッシュバックを経験する中で、仲のよかった両親が険悪になり、父親が母親を床に押し付けてる記憶を見る。
最近ポールの様子がおかしいと叔母二人が気づき、マダムプリーストの部屋に押しかけ大喧嘩ししているとマダムのかつらが取れてしまう。マダムプルーストは末期がんだったのだ。ポールにフラッシュバック用のハーブティーを置いて旅立つマダム。ポールは自宅で再びそのハーブティーを飲むと父親と母親は実はプロレスのような仕事をしており、父親は暴力を振るっていたのではなくプロレスの練習をしていただけと気づく。トラウマを払拭できた彼は長年勝てなかったピアノのコンクールで優勝を果たした。
ハーブティーがまだ残っていたのでもう一杯の飲むと、記憶の中で仲良くする両親の元に上の叔母達の部屋からグランドピアノが落ちてきた。両親がピアノの下敷きになったと知った彼は絶望しピアノを弾けなくなる。
ある日マダムプルーストの墓を訪ねるとマダムのウクレレが雨に濡れてメロディを奏でていた。ポールはウクレレ奏者になり結婚。奥さんと妻と旅行する最中グランドキャニオンを訪れ、ベビーカーの息子に話しかけるのだった。

フランス映画はツボが違うのかアレ?となることが多いですが、この映画は全くそんな事ないです。何も話さないぶっきらぼうなポールのキャラクターと変わり者のマダムプリーストがしっかりかみ合ってます。トラウマを克服したのに別のトラウマが生まれピアノを弾けなくなるがなんとか前向きに生きるポールがすてきです。

CREED チャンプを継ぐ男

2015米
ロッキーシリーズで今回はアポロの隠し子アドニスが主人公。
幼少期に施設に預けられているアドニスをアポロの正妻が迎えに行く場面から始まる。アドニスは金持ちのアポロの正妻の元で不自由なく暮らし、スーツを着てまじめな仕事をしているが、週末は夜な夜なメキシコで試合をしていた。そしてボクシングへの情熱が冷めずプロになるため仕事を辞めるが、パンチドランカーの悲惨さを知っている母親に出て行けといわれてしまう。地元のジムでは態度が悪かったのかトレーナーに相手にされず、ロッキーのいるフィラデルフィアへ向かう。ロッキーの経営するレストランで始めて対面する二人。トレーナーになってくれと懇願する若いアドニスにロッキーもとうとう折れてトレーナーを引き受ける。シリーズおなじみのニワトリを追いかけつつ、同じアパートの難聴シンガーの恋人もでき、試合で格上ボクサーをノックアウト。しかし試合に勝った結果アポロの息子という事が世間にばれてしまう。そこに銃の不法所持で懲役の決まっていた不良チャンピオンのコンランのマネージャーが注目し、懲役の前にコンラン大金を稼がせるためにロッキーにアドニスとの試合を申し出てる。試合に向けた練習中に突然ロッキーが倒れ癌が発覚、一旦は治療を拒否したが、アドニスの説得で闘病を決意。薬の副作用に苦しみながらもアドニスの練習に立会いついにコンランとの激闘が始まる。

ロッキーの続編と聞いたときにはどうなるかドキドキでしたが、最高でしたね。パート1から見続けてきた人は胸が熱くなるのでは無いでしょうか。70代になっても挑戦し続けるスタローンからはロッキーと同じように不屈の精神が感じられます。一方監督やアドニス役の俳優は若手ですが名作に挑戦するのにふさわしかったと思います。アドニスの作りこんだ筋肉はとてもカッコよかったです。ボクシングシーンも素晴らしい。
病気が発覚した後のロッキーが生きながらえるよりも1日だけでもいいからエイドリアンと過ごしたいといっていたのには泣けました。
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