1958米 アルフレッド・ヒッチコック監督

屋根伝いに犯人を追いつめる中、屋根にぶらさがり下を見てひどいめまいを起こしたスコティ(ジェームズ・スチュアート)。同僚も墜落死してしまったこの経験がもとで極度の高所恐怖症となり警察を辞職する。 
あるときスコティは友人のエルスターに自分の妻マデリン(キム・ノヴァク)の様子がおかしいので調査するよう依頼を受ける。 尾行してる中で、マデリンが自身の曾祖母で不遇の死を遂げたカルロッタという女性をなぞるような行動をしているのを目撃。やがてマデリンは正気を失なって海に身を投げる。スコティはマデリンを助け話を聞くと、身を投げたことは覚えていないという。そこから徐々に惹かれ合う二人。ある日謎を解明するためマデリンが夢で見たというスペイン風修道院へ行くが、マデリンは錯乱し螺旋階段を駆け上がっていく。スコティは追いかけようとするが高所恐怖症によるめまいのため追いつけない。マデリンは頂上の鐘楼窓から飛び降りてしまう。
この事件のせいででスコティは精神病院に入院してしまう。なんとか退院したスコティはマデリンとそっくりなジュディ(キム・ノヴァク)という女性を街で見かけ交際を申し込み、ジュディの髪型や服装を強制的にマデリンに近づけていく。しかしジュディが以前マデリンが身につけていたネックレスを持っていたことから同一人物だと確信。一方のジュディはマデリンとしてスコティと過ごしている間に好意を抱いてしまっていたために、スコティに真相が暴かれるリスクを負いながらも逃げなかったのだ。
スコティはジュディをつれ、マデリンが自殺した修道院へ 。ジュディを引っ張り真相を問いながら螺旋階段を上っていく。真実は自殺とみせかけるためにエルスターが殺した妻を突き落とし、マデリンのふりをしていたジュディと塔の影に隠れたということだった。スコティはめまいのために塔に登って来れないだろうと犯罪に利用されたのだ。ついに頂上の鐘楼まできた二人、ジュディは突如現れた黒い影におびえ塔から落ちてしまう。修道女が鐘を鳴らし茫然と立ち尽くすスコティ。

今見ても完成度が非常に高い作品。ヒッチコックが心情まで完璧に計算し撮影しているせいだろうか。ラストで登ってきた修道女は誰の目にも死神のように映り、愛する女性が二度死ぬことを見事に表現している。
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