1975伊

ある夜殺人が行われていた。子供の声がレコードから聞こえ、血のついた包丁が落ち、子供がそれを目撃する。

女性超能力者ヘルガは自身の講演会で強烈な気配を感じ取り、この会場に人殺しがいる、これからも殺人を行うだろうと叫ぶ。
アメリカからきたJAZZピアニストのマークは道で酔いつぶれる友人でピアニストのカルロを見つけ声をかけていた。しばらくたわいもない話を続けるが、突然女性の叫び声が聞こえた。マークは急いで声のしたアパートに向かうと、超能力者のヘルガが惨殺されていた。外を見るとコートを着た人物が駆け足で去っていく。ヘルガと面識はなかったマークだが、第一発見者として警察からしつこい取調べを受け、そこへずうずうしい女性新聞記者のジャンナも現われる。マークは殺されたヘルガの部屋に入ったとき、廊下にいくつも飾ってあった不気味な人の顔の絵画が、部屋から出るときは一枚無くなっていたという考えが頭から離れず、まだ外でぶらぶらしている友人カルロに相談する。カルロは人間にはよくある勘違いだ、深入りするなとマークに忠告する。しかしマークは事件の真相がどうしても気になり、女性記者ジャンナと協力して独自捜査を開始する。
マークは事件の手がかりを探るべくカルロの家を訪ねるが、元女優のカルロの母親が出迎え、カルロは友人の所にいるといった。教えてもらったアパートを訪ねるとの女性の格好をした男性が出迎え、部屋にいたカルロは自分は同性愛者であると告白する。
ある時自分の部屋で作曲中のマークであったが、突如子供の声の音楽が聴こえ、必ず殺してやるという犯人の声をドアの外から聞こえた。
次の日、犯人がかけた子供の声のレコードを買い、ヘルガの友人の心理学者のジョルダーニの所に相談に行くと、ジョルダーニの友人の心理学者が、何年か前に子供の声が聞こえてくる館を題材にした本を読んだという脈絡の無い話になった。マークはそれが気になったので、図書館で本を見つけて館の写真のページを破り、著者の女性に会いに行く。しかし著者の女性ははマークがつく前に風呂場で熱湯で殺される。マークはなぜ犯人は自分の行動を事前に察知しているのか疑問を持ちながら、ジョルダーニに電話で著者が既に殺されたと告げた。話を聞いたジョルダーニは著者の自宅に行き、湯気に浮かび上がる壁のダイイングメッセージを発見。
マークは館の写真に写っていた植物をたよりに館の場所を探し当て、館の管理人に頼み中を捜索する了承を得る。側にいた管理人の娘はトカゲに針をさして遊ぶすこし不気味な女の子であった。
マークは館の中で、子供が大人を殺す謎の絵画を発見。しかしそれ以上の発見は出来ず家に帰る。
ジョルダーニが書斎で著者殺害のダイイングメッセージについて考察していると突如不気味な声が聞こえた。恐怖で紅茶を口から吹き出すジョルダーニ。突如子供のからくり人形が飛び出してきて、ジョルダーニはそれをナイフで壊した。恐怖で笑ってしまうジョルダーニ。犯人により首に不意打ちをくらい、家具の角に歯を何度も叩きつけられ殺される。
マークは新聞記者のジャンナに電話をかけると、ジョルダーニが殺されたということであった。
写真と実際の館が少し違う気がしたマークは、館の住所を部屋に残し、再び館に行き館の隠し部屋とその中にある男性の死体を発見する。しかしその直後背後から何者かによって殴られ館は火をつけられる。マークは駆けつけたジャンナに救出され外で介抱された。
二人は館の管理人の家に行くと、管理人の娘の部屋に屋敷で見たものと同じような子供が大人を殺す絵があった。
マークは管理人の娘に詰め寄り、その子はレオナルド・ダ・ヴィンチ小学校の資料室でその絵を見たといった。
そして二人は夜の小学校に忍び込む。マークは資料室で過去の小学生達が書いた絵の束を片っ端からさがし、館の壁に書かれていたものと同じ絵を発見。書かれている名前を確認する。一方マークと離れてしまったジャンナは犯人に刺されてしまう。
マークのもとに犯人が忍び寄る、それは友人カルロだった。子供が大人を刺す絵を描いたのはカルロだったのだ。カルロは残念だといいながらマークを殺そうとする。しかし間一髪で警察が踏み込み、カルロは逃走する。
しかしカルロは逃走途中でトラックに脚を引っ掛け、そのまま引きづられながら他の車に頭を潰され死亡。

ジャンナはなんとか一命を取りとめ、事件は解決したかに見えたが、マークはまだ引っかかっていた。通りを歩きながらヘルガが殺された瞬間はカルロは自分と外にいたのだから殺人は無理だということを思い出し、事件の真相が見え始め、ヘルガの部屋に入りトリックの説明をする。ヘルガの部屋の廊下に飾られていた絵が一つ無くなったのではなく、来るときに鏡で犯人をみており、部屋から出るときはそれが見えなかったのだと気づく。鏡を見るとそこにはカルロの母親が映っていた。ナタで切りかかるカルロの母親。マークは傷を負うが、アパートのエレベーターにカルロの母親のネックレスを引っ掛けボタンを押した。カルロの母親はネックレスで首を切断し血が床に流れ落ちる。血の海にマークの顔が映ってエンドロール。


感想:全体的に構図が素晴らしく絵画のようなサスペンス。ストーリーが完全に辻褄が合ってるわけではないが、勢いで押し切っています。からくり人形が意味も無く飛び出してきますが、それ自体がワクワクです。
イタリアのプログレッシブロックバンド、ゴブリンの音楽もとてもよかったです。サスペンスなのにドラム叩きまくりの音楽で、映像に非常にマッチしています。
こんな攻めまくりな感じのサスペンスがこの時代にも生まれる事を期待したいです。
参考:サスペンス映画おすすめランキング最強ベスト52!どんでん返し最高!