2013仏

幼い頃に両親を失くし、グランドキャニオンで父親が自分に向かって叫んでいる夢で毎朝目覚める言葉を喋らないポール。音楽一家の二人の叔母と共に暮らす33歳の芽が出ないピアニストの彼は、朝シャワーを浴びてピアノを弾き、大好きなパンを沢山買って叔母のダンス教室でパンを食べながらピアノを演奏する毎日を送っていた。ある日盲目の調律士コエーリョを追いかけて自分のアパートの下の階に住むマダムプルーストの秘密の部屋を訪れる。その部屋はアパートにも関わらず豊かな菜園があり窓から光が差し込んでいた。マダムプルーストはポールのトラウマを治すために治療が必要だと思い特製のハーブティーを飲ませる。するとポールは気絶、自分の記憶をたどってが赤ちゃんの頃に戻りまだ生きている両親を眺めている。マダムの部屋に通い何回か記憶のフラッシュバックを経験する中で、仲のよかった両親が険悪になり、父親が母親を床に押し付けてる記憶を見る。
最近ポールの様子がおかしいと叔母二人が気づき、マダムプリーストの部屋に押しかけ大喧嘩ししているとマダムのかつらが取れてしまう。マダムプルーストは末期がんだったのだ。ポールにフラッシュバック用のハーブティーを置いて旅立つマダム。ポールは自宅で再びそのハーブティーを飲むと父親と母親は実はプロレスのような仕事をしており、父親は暴力を振るっていたのではなくプロレスの練習をしていただけと気づく。トラウマを払拭できた彼は長年勝てなかったピアノのコンクールで優勝を果たした。
ハーブティーがまだ残っていたのでもう一杯の飲むと、記憶の中で仲良くする両親の元に上の叔母達の部屋からグランドピアノが落ちてきた。両親がピアノの下敷きになったと知った彼は絶望しピアノを弾けなくなる。
ある日マダムプルーストの墓を訪ねるとマダムのウクレレが雨に濡れてメロディを奏でていた。ポールはウクレレ奏者になり結婚。奥さんと妻と旅行する最中グランドキャニオンを訪れ、ベビーカーの息子に話しかけるのだった。

フランス映画はツボが違うのかアレ?となることが多いですが、この映画は全くそんな事ないです。何も話さないぶっきらぼうなポールのキャラクターと変わり者のマダムプリーストがしっかりかみ合ってます。トラウマを克服したのに別のトラウマが生まれピアノを弾けなくなるがなんとか前向きに生きるポールがすてきです。